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質問者:上原 真由美さん
こんばんは!ご無沙汰しております!
アスリートの前十字靭帯の損傷についてお聞きしたい事があります。
競技チアをしており、かなり膝を酷使する競技です。
先週の金曜に損傷しました。
手術をせずに復帰するか手術をするかの選択を迫られていますが、手術をしなくても競技を続けている方もいるのでしょうか?
来年の4月には日本代表として出場したいのです。
手術をしたら絶望的です。
ただ生まれつき全ての関節が緩く、左膝の半月板損傷、右の股関節疲労骨折、今回が右膝の前十字損傷です。
足底のマッピングが不鮮明であることから、リハビリと合わせでマッピング形成を怪我をしていない左足から進めています。
MRIを撮りましたが、半月板の損傷もなく損傷度も曖昧ではっきりと診断されていない様なので他のスポーツ整形に行ってもらい診断待ちの状態です。
もし皆様の経験上で希望が見えたらと思いまして、質問させていただきました。
回答:大角地秀樹さん
私がACL断裂して手術しました、お客様も断裂して手術後リハビリをしました。
断裂をしていなければ、オペをしなくても競技復帰ができるかもしれませんがもし完全断烈をしている場合は、競技に復活をするならば手術しなければ難しいと思います。今後もまだ、競技を続けるならば、早いうちに手術をしたほうが良いかと思います。
損傷の場合グレードによりますが、テーピングと装具で
ある程度はやれますが、膝崩れなどがみられる場合は手術が必要かと思います。
上原 真由美さん
そうなんですね💦やはり手術が確かですよね。 損傷のゆるさ…プラス緩い関節ではテーピングでも限界がありそうです。 体験談をありがとうございます!
回答:横田さち子さん
7期の横田です。大会まで5ヶ月足らずという時期の怪我、ご本人様も大変ショックを受けていらっしゃることと思います。
前職はスポーツ整形外科医の下で20年勤めておりまして、体操競技やスキーフリースタイル(ジャンプあり)の日本代表の方や、その他プロのアスリートの方を担当している医師の下でしたので、少しでもお役に立てることがあれば、と思い返信させていただきます。
現時点で前十字靭帯損傷の確定診断が出ていない状況とのことですが、前十字と仮定した場合、大角地さんが仰るように第一選択は靭帯再建術になります。前十字靭帯を損傷した状態で競技を続けた場合、考えられるリスクは、まずは関節の制動性が損なわれることで膝のクッション材である半月板に摩擦ストレスがかかり半月板損傷を引き起こすこと。半月板は、亀裂が入るくらいは日常生活でも傷めることがありますが、競技動作などで曲げ伸ばしに強い回旋が加わった時は亀裂に留まらず、めくれ上がってしまったり、一部がちぎれ関節内で遊離するような状態となる場合もあります。そうなると、そのかけらが関節内を動き回り、動作の際に関節にはまりこんでしまう可能性がでてきます。曲げ伸ばしができなくなる「ロッキング」という状態です。それを無理に動かすと軟骨が削られてしまいます。軟骨を傷めると荷重関節は結構厄介です。また、最大のリスクは、制動が効かない関節ですので、競技中着地をミスして膝崩れが起きた場合、関節は前方にすべり、後方の膝窩部を通る神経、血管が損傷します。そうなった場合は、麻痺、最悪の場合は切断、となってしまう、ここまでは予測することになります。
と、ここまで書くと再建術が第一選択となるのが普通ではありますが、やはりアスリートの方々にとって、そのようなリスクを天秤にかけてでも出場を決意する状況もあります。代表選考を通り、数か月後に迫ったオリンピックを前にアクシデントに見舞われることもあり、時期的に手術をすると間に合わない、でも出場をあきらめるわけにはいかない、とご本人が決めた場合は、担当医の先生の管理の下、靭帯損傷をしたままで出場へと準備をする選手の方もいらっしゃいます。その場合は上記のリスクは承知の上ですが、その最悪の状況にならないよう徹底的に医療と現場スタッフのみなさんと準備をすることになります。リハビリ、トレーニングをもちろん、痛みのコントロールの治療と関節内の悪化(半月板損傷、他靭帯損傷、骨挫傷、関節内の炎症等)が進行しないか定期的にMRI等をとって確認をしていきます。テーピング、装具装着下で筋力強化、他トレーニングをしながらであっても、強い衝撃の着地動作があるような競技は骨挫傷程度はどうしてもついてまわります。
その状態で出場し良い成績をおさめる方もいれば、満足のいく結果ではない方もいらっしゃいますし、準備をすすめる段階で損傷の悪化が確認し、直前で断念といった場合もあります。もちろん、手術しないで競技継続を勧めているわけではありません。そういう道をすすむことを決める選手もいらっしゃるという事実と、その場合のサポート体制についてだけお伝えさせていただきました。
娘さんのチームメイトということで、お若いと思いますので、リスクを圧してまでより、先々のことを考えてという年齢かと思いますが、5か月後を断念して手術をするにしても、気持ちに寄り添って頂ける医療のサポート環境が整うことを願っています。
現場では上原さんがいらっしゃるから安心ですね!関節の弛緩性が強い方ほど、体芯力で学ぶ運動療法はとても重要だと思います。特に通常、関節をゆるく使って体をコントロールしている方は、手術等で関節が一時的に固定性が強くなると、逆にあらゆる感覚が不均衡になります。ご本人にとっては緩い状態が普通ですので、審美系の競技など柔軟性がある選手の方々は、固定する手術後のリハビリは筋トレだけではどうにもなりませんね…
MRIでは前十字は確定せずではあるものの、「前十字損傷」を疑われているということは、徒手検査上、前方引き出しテスト等の検査が陽性なのかもしれませんね。まずは靭帯は無事であることを祈るばかりです!4月の大会、出場できる可能性が残っていますように。
長々と失礼しました。
上原 真由美さん
貴重なお話しをありがとうございます!
本日結果が分かりまして、断裂はしているものの損傷ということでした。半月板は大丈夫なようです。
医師にもちゃんと治すなら再建手術をと言われたようです。ただ今期チームでの大会出場はできないことなど説明を受けたようです。
もう一つ、可能性を信じて行う治療法としてPRP療法があるとの事で、本日受けてきたそうです。
2週間で固定を外し、1週間後にはリハビリを開始するようです。
日本ではまだまだ浸透していなく、主に海外で行っている治療のようです!
リスクなども聞いて、本人と少し作戦会議をしてください。と時間をもらったけど、即決で決めた。と。
損傷したまま復帰している方は、やはり身体へのケアやトレーニングなどが人よりも意識的に行わないといけませんね。
確かに緩い事が普通の状態であれば、そこに戻してあげながらも使い方の改革は必要…。
今はとりあえず呼吸をメインでやってもらっていますが、リハビリが始まったら様子見ながらお手伝いできればと思っています。
筋トレだけではどうにもならない。ほんとそうなんです😢
そのため体心力のワークは欠かせません。
日本代表選考会には出られませんが、チームが一丸となってアメリカに連れて行く!とチームの雰囲気も変わりました。マイナスな出来事だけど大きな力となってプラスに働いています。
怪我をした時の絶望的な気持ちから、今少し希望を見出せた事で力が湧いてきました!
ありがとうございます!
横田さち子さん
PRP、再生医療ですね!
前職でも専用の機器を導入し行っていました。自身の組織を使って靭帯の再生を狙う方法ですね。効果は個人差があるものの、良好な結果も多く報告されてきています。
主治医の先生も仰られたと思いますが、数日は患部の炎症反応が強く出たりしないか、様子をみて頂くとよいかと思います。
靭帯の連結性が保たれているものの、再建術が必要な状態、ということですね。
選手の想いに寄り添いながら治療をすすめてくださる先生とお見受けしますので、その先生の下、復帰に向けて着実にすすんでいかれることと思います。
ご本人様もチームのみなさんも応援しています!
上原 真由美さん
ありがとうございます!
初めて聞く治療法でしたので色々調べてみました。
一件目に行った病院では固定もされず、MRIを撮ってもはっきり診断できなかったらしく、今回の病院ではデータをしっかり見てくれたようでしたので本当に良かったです。
経過を見ていきたいと思います。
ありがとうございました😊
