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質問者:猿山直明さん
以下質問させてください。
1.背骨の運動と自律神経について
体芯力体操では、背骨を軽く揺らし身体を緩めることで「副交感神経優位」にするとのことですが、脊椎のT1〜L3にかけては交換神経が支配しており、脊椎の大部分が交感神経に傾倒しているため、交感神経の方が有利になるかと考えていたのですが、揺らぎの影響の方が体に与える影響が大きく副交感神経有利になるという認識でよろしいでしょうか。
2.猫背へのアプローチ
猫背は、広背筋が伸びている姿勢の状態かと思いますが、その姿勢に対して、脊髄神経のストレッチを行うことで、脊髄の可動性が上がり、付着している広背筋の柔軟性も上がり、逆に広背筋がのび、猫背が悪化するのではとふと思ったのですがこれについて、ご意見いただけると幸いです。
3.外反母趾、内反小趾へのアプローチ
①外反母趾、内反小趾の原因の一つとして歩行の仕方が挙げられるかと思いますが、歩行が改善しても、悪影響を及ぼす因子の取り除きを行なっただけで、外反母趾、内反小趾の改善自体は別個で行う必要性があると考えているのですが、このアプローチ方法あればお聞きしたいです。
②強制的に足の間隔を開くツール(https://naboso.jp/shop/splay/)が外反母趾、内反小趾へのアプローチとして有効化お聞きしたいです。指の形状のマップングを形成するという意味で有効なのではと考えていますが、いかがでしょうか。
4.ハンマートゥへのアプローチ
ハンマートゥへのアプローチとして、有効なものがあればお聞きしたいです。脛骨神経、腓骨神経のストレッチ、手の指を動かす、足を触る・指先をそらして圧をかける等の足のマップングを増やすが現在思いつく手法ですがこれ以外にあればお聞きしたいです
5.三角筋後部の活性化について
三角筋後部の活性化のために肩関節外旋、外転で動かして動かしてアクティベーションを行う方法があるかと思いますが、どれぐらい行うのがアプローチとして良いのでしょうか。
6.骨盤が足の上にきたタイミングで膝が急にかくっと入る人について
街中で人の歩行を観察していた時に、このような人にでくわしたのですが、このような症例の原因としてどのようなことが考えられるかお聞きしたいです。
自分の考えだと足首、股関節の可動域の問題が考えられるのですが、他にあれば提示お願いします。
7.骨盤を動きをおさえた歩行について
楽な歩行方法として骨盤の動きを抑えた歩行方法を紹介されてましたがこの歩行方法を行った場合骨盤の挙上が起こらないため足をすりつまずきのリスクが上がると思うのですがこの歩行でつまずきを回避する方法あればお聞きしたいです
回答:永野 真治さん
1.2.5の質問に回答させて頂きます。
まず、2の猫背へのアプローチなのですが、、、
そもそも「猫背」というものの捉え方がポイントかと思います。
単に背中に丸みを帯びいるという状態ではなく、
背骨のS字状カーブが崩れた結果として、背中全体が丸くなってその結果として顎が突き出たり、頭部が前に出てしまう(重心が取り辛く非常に動作効率が悪くなる)状態だと僕は解釈しています。
この状態になるには、本来前弯するはずの腰椎は後弯してる可能性が高いです。
ですから、脊椎ストレッチのメインターゲットは背骨下部の腰椎の可動性を上げて理想的な前弯をつくることにあると思います。
※骨盤との連動した動きも必要。
そして、もし広背筋が伸びすぎているのなら、
5.の三角筋後部のアクティベーション(肩関節外旋、外転の収縮)がそのまま広背筋の伸長運動になるので、
真逆の動作(肩関節内旋、内転)も同時に行うことで、三角筋後部と広背筋の両方が活性化されることになると思います。
アクティベーションをどれぐらい行なうかというのは、
拮抗筋とのバランスが良くなって目的とする動作がしやすくなっているようならOKだと思います。
先ほどの猫背については、
背骨の正常なS字状カーブであれば、胸椎はやや後弯ですので、背骨の上部だけはやや丸く見える状態が正常かと思います。
※肋骨に沿うように位置している肩甲骨もやや外転気味になる。
最後に
1.の背骨と自律神経については
背骨を揺らすことで、脳幹の緊張がほぐれた結果、副交感神経が優位になるのだと思います。
本来、背骨への刺激は小脳(運動神経)の活性化となり体の動きを良くする方向に働きますが、
「揺らし」というのは、それ以上に脳幹をリラックスさせる効果が大きいのではないかと思います。
体を心地よく揺らすということは、「呼吸」と同じような効果があると思います。
以上となります。
よろしくお願い致します😊
猿山直明さん
永野さん。
確認遅くなり申し訳ございません。ご回答くださありがとうございます。
三角筋のアクティベーションが広背筋ともつながるという事実はとても勉強になりました。こういった解剖学的な繋がりはまだまだ理解が乏しいので視野が広がりました。ありがとうございます。
また、猫背については、ただ丸まっているのでなく、S字カーブの崩壊という視点はなかったので勉強になります。その他姿勢周りでも同じような視点が使えるかと思いますので、同様の視点を使ってアプローチ・思考をしていきたいと思います。
鈴木亮司さん
1
前庭覚についてですが、このサイトの⑤のところにある激しい揺れには交感神経、ゆっくりとした揺れには副交感神経の反応が出ます。
この激しいのかゆっくりとしたは人によって感じ方が異なるのでどれくらいのものかは個人差というものになります。
https://sawayakaclub.jp/archives/90476
2
猫背と広背筋について
猫背の姿勢自体が広背筋が最大伸張しているレベルというよりも、広背筋と拮抗している大胸筋や外腹斜筋などの持続的な軽度短縮という捉え方をした場合、広背筋自体が伸びているというより、こちらも持続的な軽度伸張と捉え方、この状態でストレッチがかかるほどの伸張が起きているかと言えばそれほどではない、となりますよね。(猫背の具合にもよりますが)
脊髄には前庭神経、小脳に関わるので、そこから姿勢制御への影響、広背筋のストレッチ、収縮によって広背筋のマッピング効果→体幹伸展という入り方もあるかな、と思います。
3
①
外反母趾、内反小趾に関して、どこまで進行しているのかにもよりますが、骨の変形まで進行している場合には外的な因子で元に戻すのは難しいかな、と思います。
神経自体のアプローチは有効だとは思います。外反母趾、内反小趾は足だけのアプローチでなく、膝や股関節、もしくはそれに影響を与えている脳や神経なども考えて行く必要があるので、アプローチに関しては個人差が出てきます。多くはオーバープロネーションですが、これを引き起こしている原因を探す、という流れが多いパターンです。
②
はい、このようなアイテムは指の可動性やマッピング形成の助けとして有効だと思います。
4
はい、ハンマートゥのアプローチのマニュアル的なアプローチはそれで良いかと思います。
あとはその人の動きや様々な生活環境や状況を見て判断する、という形が良いかと思います。
5
どれくらいというのがその人が三角筋後部に関してどれくらいの感覚を持っているのか持続時間などを聞いてみてから判断、という形が良いと思います。
6.
症例の原因として足裏感覚なのか、履いているシューズの問題なのか、小脳なのか、足圧の知識などの歩行自体の問題、オーバープロネーションの問題か、というものが思い浮かびます。
7
骨盤の動きを抑えた、といっても全く動かないわけではなく自分自身の意識において操作するのではないので、地面反力を得ることによって少なからず骨盤の挙上、膝関節の屈曲が起きるということです。
歩行に関しての詳しくは芯ノ巻の中で出てくるので、その時に疑問などが解消できるかと思います。
猿山直明さん
鈴木さん。
返信遅くなり申し訳ございません。ご回答くださりありがとうございます。
3.②周りのクライマーでシューズによって足のアライメントが崩壊している人が多いので興味ある人には勧めていきたいと思います。
7.多少骨盤の挙上が起こりつまずきの防止につながっているのですね。ということは、この骨盤の動きをおさせた歩行を行うにしても、つまづきを抑制していくために、骨盤の動きを膝腰上げなどを通して学習させておくことはマストになる感じなのですね。
