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質問者:中澤里英さん
ビジョントレーニング、大変勉強になります。
片桐さんとのやり取りでさらに理解がしやすく、何度も読み返しました。ありがとうございます。
組手で、気づいたら相手の蹴りが目の前に💦という状態をどうやったら解消できるのか、鍵が体芯力にあることは確信しながら、まだ模索もやりようがない状態でした。ヒントをたくさんいただきました。
横隔膜と胸郭に圧をかける呼吸というのは、吐き切った状態で息を止めて背伸びをする横隔膜ストレッチのことで合っていますか?
動画のトレーニング、難しすぎて断念していました。なるほど、ハンカチで!早速やってみます。
回答:田代 慎一郎さん
空手の蹴り対応は、ローか、ミドル、ハイ、前蹴りで実はビジョントレーニングとしての対応が異なります。
目の前にあった、という言葉から,ハイか、喉元への前蹴りかな?と思いますが、違っていたらごめんなさい。
前蹴りは下からの死角から直線的に潜り込んでくるため、非常に見えにくいです。特に、顔面ありのルールでは、自分の拳もガードに用い、相手の拳と顔面に意識を割いている状況なので、相手の足が自分の対側の拳に隠れることもあります。
お手玉2点トスを、正面と下から、の2方向で行うなども必要かもしれません。
ブラジリアンキック気味に、ひざ下が上から襲い掛かるハイキックなどは、頭をダッキングするロシアンフックと同様に視界の外からくるのでとても見えにくいです。ビジョントレーニングの問題というよりは、相手の戦術と戦い方の問題もあるのですが、スティックミットで横から振ってもらうものをさばくトレーニングが効果的だと思います。
呼吸については、自分もあまり習得できていませんが、基本的には、吸うことで圧をかけます。
吐いて圧をかけ続ける技術もとても重要ですが、吐いて背骨を伸ばすと減圧(吸い込む準備)になると思います。今回目指す神経刺激としては、横隔膜を下方に下げ、内臓圧をたかめるとともに、胸郭を押し広げ、背骨を内側から外側に押し広げることで、望む神経刺激が得られる、らしいです。
この辺りは、不勉強で申し訳ないです。
中澤里英さん
ありがとうございます。
下の死角、そうなんです、自分の拳に隠れてます。目の前にあった、というざっくりした表現で読み取ってくださりありがとうございます。早速お手玉を探してきて取り組んでいます。2方向になると途端に難しい。難度を工夫して探りながら取り組みます。
スティックミットも早速取り入れようと思います。これまで組手は恐怖心からできるだけ避けて形専門できましたが、「脳の知らないパターンをなくす」ことで恐怖心や力みが軽減されていくという考え方を知り、こういったトレーニングを何のために行っているかがわかるとモチベーションが格段にアップします。
呼吸についてもアドバイスありがとうございます。ワニの呼吸や側屈での苦手な方向を広げる呼吸、腹圧を保ったまま吸う、を意識してみようと思います。ちょうど今朝の実技練習会のテーマが前鋸筋でした、前鋸筋が働くと腹圧を保ったまま呼吸しやすいです。
田代 慎一郎さん
中澤さん
自分の乏しい体験から推測しましたが、当たっていてよかったです。
石田さんの「空振り」の項目でも書きましたが、人間の眼には構造的な盲点以外にも、見失うポイントがいくつかあるようです。特に視力の左右差があると、強い側の眼に頼る部分に見失うポイントが生まれます。
具体的には、片目でみたときの視界の端・ちょうど「小さい前ならえ」をしたときの手の位置あたりに切り替えポイントがあります。この位置を通過するように侵入してくる物体を見失うことがあります。
下段からの攻撃については、一つ対応があり、「ヒジ」をセンサーにすることで下方に対して空間認識を取りやすくなります。
構えたときのひじに筆をくっつけて、文字を書くイメージといったらわかるでしょうか? 拳・指先だけが詳細な位置情報をもってくうかんをにんちするのではなく、ひじ先でも文字をかけるように空間認知ができると、下方に対してセンサーが働きます。
「背中に眼をつけろ!」の代わりに
「ヒジに眼をつけるんだ!」みたいなイメージです。
手のひらに眼玉をつけた妖怪がいますが、あれも武術的には意味のある意識らしいです。
*お詫び:掲示板利用の皆様へ
質問に答えた関係もあり、体芯力から離れた内容で掲示板を埋めてしまい申し訳ないです。特に、個別の競技の内容については、個人的なやり取りをしていたのですが、望ましくないということで、こちらに表示しております。
ツリー式掲示板なら、眼の話題のツリーが伸びるだけで済むのですが、全体の閲覧性を下げてしまい申し訳ありません。
8期生の方へ:
体芯力では、眼を入り口に体の動きを良くする使い方を行うことが目的なので、ここまでの眼の知識は必要ありません。
私は、視力に左右差もあり、キャッチボールもできなかったぐらい空間認識能力の低い人間だったので、困りごとの多くに眼の情報認知がありました。(あったことに、気づくようになりました)
体芯力のボディマッピングを強化することで、自然と眼の能力も向上します。
あわてて、無理に眼のトレーニングを行う必要はありません。
身体が自在に動かせるようになると、認知できる空間が増え、自然と眼の動きもよくなります。専門競技での弱点を補強する目的以外では、それほど神経質に自分の眼の弱点を探す必要はないのでご安心ください。
中澤里英 さん
詳細ありがとうございます。 見失うポイントを探してみました、左斜めが消えやすく、朝昼夜、時間帯によっても視野が違い消える場所も違ったように思います。 田代 慎一郎 2025年6月4日 22:18 身体が自在に動かせるようになると、認知できる空間が増え、自然と眼の動きもよくなります。 こちらも踏まえて、眼と身体両方から焦らず取り組もうと思います! 肘の感覚なんて考えたこともありませんでした!尻字ならぬ肘字をやってみて、私のボディマップが、肩の次にあるのは手先だった事に気づきました。手先が力むのも当たり前です。手の形状を保ったままのスワイショウでないと肘の感覚がほとんどなくなってしまうので、昨日は歩く時も前後スワイショウのつもりで肘のマッピングを意識しました。 自分の身体なのにこんなに認識の薄い場所があったとは、、多分他にも色々あるのだと思います。発掘作業を楽しみます。 私の場合膝も同様に意識が薄いので、膝字もやってみようかと思います。 身体の各部位の位置情報、空間認知を詳細にすることでセンサーが働く、、ガッテン(某NHK)です! 全身眼にしたいです。 ご教授ありがとうございます、またよろしくお願いいたします!
田代 慎一郎さん
