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質問者:横田さち子さん
おはようございます。開講前ですが、過去動画で勉強させて頂き、現場で使い始めてますが、アプローチの組み立て方がやはり難しく悩んでいます。実際のクライアント様の画像を共有しますので、アドバイスお願いします。
小6エアロビクス競技選手で、わずかに側彎(医療的には加療範囲ではないと診断あり)があります。
痛み等はありませんが、指導者さんよりジャンピングジャックというステップ(両脚ジャンプ後に開脚位で着地)で、右膝が内側に入りやすいこと、体幹の安定性が低いことを相談され、こちらに来られました。
本人も左に比べ、右膝はかなり意識しないとコントロールがしにくい、と感じています。
前後開脚のポジションをみると、かなりの左右差があり、5歳の頃からこのように骨盤をずらしての前後開脚をしているということですので、少なからず側彎の構築に影響したかと考えています。
ジャンピングジャックと、前後開脚の画像を共有します。
動画はお顔を隠すため見えにくくなっていますが、かなり右肩が下がっています。
体幹の安定性はフロントキックなどの矢状面での運動へは、大腰筋へのアプローチで反応があるのですが、前額面上での運動への反映が得られにくい印象です。
フロントキックの変化画像も参考のため共有します。左右差は依然つよいです。
前庭覚、体性感覚、小脳等さまざま評価しアプローチしていますが、組み立て方が整理できていません。開講前ですがアドバイス頂くことは可能でしょうか。
ご本人の一番の目的は、ジャンピングジャック着地での右脚のコントロールです。
よろしくお願いします。
回答:鈴木亮司さん
ご質問ありがとうございます。
動画と写真を見させてもらった限りではありますが、右の股関節の感覚が弱そうだなと。
開脚の際に右の股関節に内旋と外旋が出ていないので、それに合わせて仙腸関節の可動性も低くなっているのかと思います。
結果として足底感覚も確認したいですね。
側屈をした際に左右差というものが確認できたら、そこからアプローチをかけてみるのも一つの入り口かと思います。
横田さち子さん
お返事頂きありがとうございます。
股関節の静的な可動域自体は、右は内旋制限、左は外旋制限があり、外転は80°あたりで骨頭が強く内旋します。施術ですぐに調整できる範囲ですが、動作になると左右差は著明です。
足底感覚ですが、評価の1つとしてマッサージガンで軽く振動刺激を入れて評価してみたのですが、促通することで逆に不安定になり、緊張が強くなりました。この場合は、足底感覚についてはどのように判断し、アプローチすればよいのでしょうか。顕著に不安定になっただけに、促通ではないアプローチが必要なのか迷っています。
側屈に関しては左右差あります。画像共有します。眼球運動、頭部のコントロール、脊椎や骨盤運動でアプローチしましたが、あまり変化はありませんでした。アプローチの仕方が不十分な可能性は否めませんが...側屈へのアプローチのアドバイス頂きたいです。よろしくお願いします。
追記ですが、側屈の坐位のチェックは、足の位置は揃えた状態からスタートしています。3回ほどゆっくり繰り返してもらう形でチェックしていますが、無意識に足の位置がずれてきていました。
鈴木亮司さん
内外旋に制限があるので、内転筋の拘縮が予想されますね。
内転筋のスラッキングというものがあるので、それが有効かな、と思いました。
足底感覚ですが、マッサージガンでどの部分に感覚刺激を与えたのでしょうか?
側屈動作ですが、胸部の動きが出ていますが、腰椎自体の稼働があまり出ていないですね。
右側屈した際に脊椎が屈曲している傾向もあるので、伸展を指示した場合にどれくらい制限が出るのかが気になります。
横田さち子さん
返信頂きありがとうございます。 その後実施した内容など共有します。 股関節内外旋に対しては閉鎖神経は反応せず、伏在神経のスラッキングで可動域が確保でき、前後開脚も骨盤の過度な回旋はなくなりました。 その後、可動域がでたところでキャット&カウや「単発セミナー動画」の体芯力ワークショップ①の内容と同じように側屈運動を複合した形で、股関節から脊椎が動き出す流れを作るトレーニングを行いました。 右凸の側屈位ではキャットができず、胸椎から動いてしまう傾向にありました。これについては左仙腸関節の可動性が右に比べ低くなっている(仙骨のうなずきが不足)ため、股関節から脊椎へうごきが伝わらないとみています。左凸の側屈位では連鎖が確認できました。 立位での動きもそれが影響し、左のみヒップロックができず、脊椎への動きにつながりにくい状態です。 足底の感覚については、踵に圧をかける等の自ら刺激をかける形で行いましたが、反応がみられませんでした。重心移動の方法なども含め、こちらの伝え方が不十分なゆえのような気がしますが... ご本人の希望は、ジャンピングジャック着地時の右膝のコントロール、内側に倒れるのをなんとかしたい、ですが、今回の反応から考察するに、左に原因があるかと。 とりとめのない経過報告ですが、今後のアプローチについてアドバイスを頂けましたら幸いです。
鈴木亮司さん
競技選手は結構特殊な身体になっていることがほとんどで、個人差も大きいですよね。 やりながら反応を見てやることを選択していく地道なやり方が1番ですね。 右仙腸関節の動きが悪い →右股関節が開かない →右膝が内側に倒れる 右仙腸関節が悪くなっている原因ですね。 仙骨の動きだと顎、上位頸椎の動きでどう変化するか、ですね。
横田さち子さん
ありがとうございます。 当てはめることを考えすぎず、その都度アセスメントを繰り返しながら細かくみていきたいと思います。全国大会が8/3ですので、少しでもよいコンディションで、とこちらが焦ってしまいました。 顎、上位頸椎はまだ介入していないので、すすめていきます。演技の動画を見ても、頭部が右側に寄り固定されてしまっているのも気になっていました。関与はあるかと思います。 15分間を約5分の休憩を挟んで3連続で躍り続けなければいけない、という過酷な競技ですので、舌運動を絡め、呼吸もよくみていきたいと思います。 お忙しい中、何度も返信頂きありがとうございました。
