質問者:小野さん
次のセッションでの手立てがわからなくなってしまい、質問させてください。
何度か見ているお客様なのですが、その日は腓骨筋ストレッチの形で左に倒したとき(片足開脚で側屈)に右の腰がかなり突っ張ると言われました。
以前にも同様の事を言われたとき、閉鎖神経スラッキングで突っ張り感が取れたのでやりましたが、その日は効果が出ませんでした。
・脊椎→立位の側屈で右腰に突っ張り感が出現(床でやる片足開脚の側屈では取れず)
・骨盤
・胸椎
・前庭
・目→身体が固くなった
・舌
・呼吸
・足裏刺激・足首回し→側屈で出た右腰の突っ張り感は改善
・立位側屈はできるようになったのに、床でやる片足開脚の側屈では突っ張り感が取れなかったのはなぜか。
・他にどのようなアプローチが考えられるか。
教えていただけますと幸いです! よろしくお願いいたします🙇♀️
左前方方向の前庭覚の働きが落ちているかもしれないですね。
頭のポジションを近い形としては四つ這いで屈伸、側屈などをして、片足開脚の時に変化あるか試してみてください。
そうでなければ骨盤(仙骨)自体のモビリティの可能性かなぁと考えます。
ありがとうございます!
四つん這いでの側屈は行ったのですが、屈伸は行っていませんでした…。
また、骨盤のモビリティはチェックしていたのですが、もっと細かく仙骨のモビリティはチェックしていませんでした。
回答を受けてのアプローチ後コメント
前庭覚への刺激としてVORを行ったのですが、逆に身体が固まってしまいました。
機能として、かなり落ちているということですよね…。
ボトムアップアプローチとして、脊椎運動を継続的に行っていこうと思っています。
四つん這いで屈伸、側屈を行いましたが、突っ張り感が取れませんでした。
客観的に見ると、可動域はかなり広がっていっているのですが、本人としては実感がなく、突っ張った感覚も取れないようです。
また、仙骨のモビリティは低く、骨盤と分離して動かすイメージがまだつかめていない様子でした。
まずは、脊椎運動と仙骨の意識を高めるアプローチをしていこうと思っています。
なにか他の糸口もありましたら教えていただけますと嬉しいです🙇
よろしくお願いいたします。
それはかなり前庭と視覚に問題を抱えているかと…
以前に田代さんが共有してくれたものがヒントになると思います。
どういった動きをしているのか見てみたいので、動画があったらシェアしてください。
そこからの方が良いアドバイスができるかと思います。
自分ならこう考えます。
①立位で改善して、座位で症状が消えない
→股関節から上の問題が大きいかもしれないと考える。
②側屈で腰に症状が出る場合のアプローチ
→症状を確認しながら呼吸で抵抗をかけて、腹圧の意識を高める。
(コア優位にしたい)
③コア優位にしてから呼吸関係にアプローチをかける
→呼吸時の肋骨の動きと、脊柱-骨盤の3面の運動を組み合わせて抵抗をかけられるならかけながら呼吸を入れていく。
症状が軽くなるものがあれば、効果なかったものも繰り返していく的な感じでしょうか。
何か参考になれば幸いです。 考える機会をありがとうございます!
ありがとうございます!考え方の流れ、大変勉強になります🙇♀️
この方、確かに腹圧がかなり抜けやすいです。
更に質問で恐縮なのですが、「呼吸時の肋骨の動きと、脊柱-骨盤の3面の運動を組み合わせて抵抗かけられるならかけながら呼吸を入れていく」ワークとしては、どの様なものが考えられますでしょうか?
四つん這いで私が上から脊柱を圧迫し、それに抵抗しながら行うキャット&カウの動きも、抵抗を加えた3面運動の組み合わせとしての効果は期待できますか?
どれくらい肋骨の可動性があるかにもよりますが、
・呼吸時の肋骨の抵抗
⇩
①仰向け、横向き、うつ伏せで上から肋骨の動きを誘導して動きが出てきたら、それに抵抗をかける(触る事でマッピングにもなる)
②座位で下位肋骨を横から抑える
このような感じで自分は行います。
コルセットみたいに下位肋骨辺りやウエストラインにチューブを巻いて抵抗をかけても良いかと思います。
・3面への運動への抵抗は、小野さんがイメージしているものと同様だと思います。
詳細なアドバイスをありがとうございます!
呼吸へのアプローチで、先日の悩みであった、片足開脚で左に倒した時の右腰の突っ張り感が消えました!
触ったことでのマッピング、抵抗を解除した後の解放感が実感が高かったとのお声をいただきました!ありがとうございます!
3面運動への抵抗は、腰椎3,4番辺りに負荷をかけると腰が痛いと言われてしまい、それ以外の部分へ抵抗をかけて行いました。
痛みが出た後、再度うつ伏せ、仰向け、横向きの呼吸を行ったのですが、痛みが取れませんでした。
また、長時間仰向けでいると腰が痛いので、横向きかうつ伏せで寝ているという新たな問題点も発覚しました。
呼吸指導時の私の誘導がよくなかったのか、近藤さんが呼吸指導時に注意している点がありましたら教えていただけると嬉しいです🙇
また、抵抗をかけた時に腰部に痛みが出てしまったため、他の3面運動への抵抗のバリエーションがもしありましたら教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
呼吸で改善点があったのは良かったです。
自分としては、なるべくその人の普通の呼吸に沿ってサポートを入れたり、抵抗をかけたりしています。
強制的な呼吸にならないようには気を付けています。
3面の運動に関しては、負荷を与えると力んで痛みが出そうなイメージかなと思いました。
腹圧の感覚を作って、できる範囲でローリングライクアボール的な後ろへの転がりや寝て横に転がったりして、前庭への刺激を狙うのも楽しみながらできるのかなと思いました。
詳細にありがとうございます!
大変学びが多いです!
腹圧、3面運動、前庭に同時にアプローチできますね。
早速やってみます!
私も呼吸のアプローチの一つとして、いつか講座で亮司さんもされていた、肋骨下部から臍周りにかけてチューブを巻くやり方をかなり取り入れています。
巻くことで腹圧を感じやすくなり、 背中へのマッピングに繋がりますよね。
あと、転がることも前庭と背中のマッピング、眼球効果がいっぺんに期待できるのでよく取り入れています。
ピラティスのローリングライクが難しい方にはゴロゴロ願えり程度のものでも「腰が軽くなった」「呼吸がしやすくなった」という方もいらっしゃって効果を感じていただいています。
インスタ投資勉強の成果、本当にすごいですね。
前庭覚刺激で、「転がる」マッピング入力について、少し補足します。
遊園地のパンダのように、背中を丸めて転がる動きは、とても効果的な感覚入力です。
ですが、この動きも人によっては強すぎます。
理由は、最も鋭敏な感覚器である「手の平」「足の裏」が地面から切り離されているからです。
壁を触る、誰かにタオルをつるしてもらってつかむ、などの手への感覚入力を補助すると、背中丸めコロコロは効果があがります。
転がることの補足、ご丁寧にありがとうございます🙇♀️
確かに転がることも人によりますね。
人によっては転がることを極端に怖がる方もいらっしゃいます。
それは前庭覚が弱くなっているものと考えて、ゆっくり寝返り程度の動きから取り入れていました。
そんな方には転がる前に「手の指」「足の裏」の感覚を先に入れると、より効果的になるということでしょうか?
前庭覚刺激の背中刺激について。
寝返りは、脊椎コントロールもできてとても良い運動だと思います。
ポイントは、手や足が地面に接触していて、体の空間位置情報を手足から取得できる、ということです。
だから、ほとんど同じ寝返りでも、両手を浮かすだけで脳の負荷は上がります。
支点として支えること以外に、指先が床に触れることで空間認識情報を取得できるメリットが大きいです。
寝返りは、力点として支えなくても、足が床に触れるため、背中を丸めるゴロゴロよりも格段に負担は減ります。
それでも、うちの斜位の選手は寝返りの後、指標動作の前屈が悪化しました。
*もちろん、少しずつ慣れていくことで改善はしていきます。
どうやら前庭覚刺激のベース理論は、1940年代に「めまいが起きる人にはめまいを起こす動作を体験させることで症状を軽減する」という超体育会脳筋理論みたいですので、もう少しソフトな刺激で効果を上げられると思います。
参考
高齢者でなくともひとたび前庭障害が起こると前庭代償が進んでも100%は回復せず,VOR(vestibule-ocular reflex:前庭動眼反射)や VSR(vestibule-spinal reflex:前庭脊髄反射)の障害が残り,平衡障害が持続することが多い。めまい平衡障害に対する解決策として,この VOR やVSR の改善を促す VBRT(vestibular and balancerehabilitation therapy:めまい平衡リハビリテーション)の有効性が1944年から報告されてきた)
その際に、ボトムアップとして手指に刺激を入れておく効果はあると思いますが、僕は十分に検証できていません。
僕が検証しているのは、
① 前庭覚刺激で脳を揺らすとき、手足が地面に設置していないと空間位置情報を失い、緊張して体が硬直する人がいる。
その傾向を持つ人物と、眼の眼球位置(斜視・斜位)その他眼球運動の不具合の相関関係です。
② ①で体が硬直する人間の硬直を解除する方法として、手足を地面・壁などに触れて空間情報を取得すること。
まだ20例も確認できていませんが、相関関係はほぼ100%です。
斜視気味だけど動けてしまう人がいるので、100%のリンクではありません。
世間で公表されているビジョントレーニングは、悪化する事例を無視し、効果がある事例だけが報告されているように感じます。
効果がないなら問題ないのですが、僕をはじめ斜位・眼球運動制限を持つ人には、リスクを伴うことをお伝えしておきたいです。
逆に、視覚・前庭覚に問題がない人には、多少乱暴に刺激を入れてもものすごく効果的に改善します。
高松商業女子卓球部(インターハイ・ギリギリ出場級)では、9人中5人が刺激を入れれば入れるほど前屈動作や、反復横跳び動作が改善しました。
※3人が動作悪化し、左右の眼の動きのどちらかに弱い動きがありました。
プレー中の弱点(空振り・ミスの発生位置)も、ビジョンからの予測と一致しています。
結論
寝返りの時、支える効果はないけれど、手を置くことのできるクッションなどを置いてみてはどうでしょうか?
恐らく効果が出ると思います。
手にミラクルグリップ系をもつことも効果的かもしれません。
物凄く詳細なお返事をいただきまして本当にありがとうございます。
お忙しいのに本当に感謝です!
私は特に前庭に問題はないと思いますが、手足を浮かせてのケースと手足を付けてのケース、そしてミラクルグリップを握ってのケースで寝返りをしてみましたら、私の場合はミラクルグリップを握った時が一番柔軟性が出ました。
そしてその後、手足を付けずに寝返りをしたら少し固さが戻ってしまいました💦
こんな結果からも手足が鋭敏な感覚器であり、空間情報を取得していること、改めて認識いたしました。
世間で公表されているビジョントレーニングの件も含めまして大変参考になりました。
今までの坂村さんのご経験のシェアを、ありがとうございます🙇✨
実際のお声は、とても参考になります!
呼吸へのアプローチですが、腹圧を感じることと、背中のマッピングを別々に考えていました。
チューブを巻くことで背中のマッピングが入る→背中に呼吸が入るようになる→結果的に腹部に圧をキープ(腹圧)できるようになる
この様な流れなのですね!!
寝返り程度のワークでも、効果を感じてくださるのですね!
背中マッピング&前庭&眼球の同時刺激は効果期待できそうです!
この方、仰向けで長時間寝れないということは、寝返りを打つ回数も少ないのかなと考えていたので、脇腹を縮めて寝返りをする方法もお伝えしてみようと思います!
こちらこそご丁寧にお返事いただきましてありがとうございます🙇♀️
チューブ、そうなんですよね!感覚入力にはとても便利ですよね☺️✋
但し、チューブは一般の方はなかなか持ち合わせてはいないので、普段はベルトを苦しくない程度に巻いてもらって日常からインプットしてもらうようにしています。
実は私も呼吸には課題があるのでチューブは巻いたまま家事をしていることしばしば…笑
小野さんの質問のお陰で、転がることの深い見解を田代さんから学ばせていただくことができて本当に感謝です。
私のお客様、前庭に問題ある方が多く首にトラブル抱えた方が多いこともあって、寝返り等の動きをよく取り入れていたもので…🙏
鈴木先生もお答えされていますが、ビジョントレーニングは、視覚・前庭覚が弱っている人には負荷が高すぎる問題があります。
先日、補講でお伝えしたのは、右目・左目から右脳・左脳にアプローチすることや、左右の眼で反応の出方が違うことをお伝えしています。
反応が悪化する場合、ビジョントレーニングで刺激を入れる幅を2~3センチに抑えてみてください。
また、それ以上に鈴木先生が提案されていた
トップダウン=「視覚・前庭覚刺激から体の改善」より
ボトムアップ=「末端(手足)刺激から前庭覚・視覚に介入し体の改善」の方が効果的です。
具体的には、指先のボディマッピングを高めるための「さする」「指を回す」刺激が効果的です。
ありがとうございます!
先日の補講動画、田代さんの解説と実証実験の考え方の凄さに驚きながら、拝見させていただきました。
左右の目と内角外角の方向性、左脳右脳の関係性がまだ飲み込み切れておらず混乱の状態です…笑
ボトムアップアプローチで脊椎を動かそうと思っていましたが、田代さんの解説で末端(手足)刺激の重要性を感じました✨
確かにこの方(30歳)、手指回しがかなり苦手です。
60代の方と同じくらいか、それ以下の操作技術でした。
転がるマッピング入力も、手足を床に着けた状態でやったりミラクルグリップを持たせてやってみます!
