必見!高齢者への指導での注意事項(2024/2/2)

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質問者:上原さん

先日、82才の女性がスタジオにいらして、少しレッスンを行いました。

椅子からの立ち方を教えると、とても感動されて何回も立ったり座ったりを繰り返していました。

スワイショウも楽しいと言いながら行って、帰りの歩き姿はご家族も感動するほどすんなり歩いて帰られました。

その2日後くらいから目眩がおこってしまっている様で、レッスンのせいとは言われていませんが、好転反応があるものなのか、逆に身体に負荷をかけすぎたのか、はたまた全く関係ないのか分かりません。

行ったのは足指、足首回し、手指回し、椅子の立ち上がり、スワイショウのみです。

目眩は4日目の今も続いているようです。


回答者:浅川さん

僕の患者さんで、慢性疲労で殆ど運動の機会がないという50代の糖尿病の女性の方が居ます。

少しでも運動して欲しいと思いスワイショウを紹介した時、最初の両腕の前後の振りは良かったのですが、左右交互の腕振りになった途端に目眩がすると床にへたり込んでしまい、中止したcaseがありました。

多分前庭(三半規管)への刺激が強すぎる為だと思います。

後頭部や顎関節の緊張が強過ぎると目眩が出やすい傾向があると思うので、そこを緩めてあげると改善しやすいかもしれません。

参考になれば幸いです。

上原さん

浅川さん、ありがとうございます。

やはり刺激が強かったのかもしれませんね…。

やっている時はなんともなく、前屈がご本人も驚かれるほど柔らかくなっていてみんなで喜んでいたのですが、もしかしたらお家に帰ってもやっていたかもしれませんが、病院にも行ったようですが目眩が続いているとのことで心配です…。

後頭部と顎関節を緩めるというのは、皮膚刺激として摩ったりしてあげるといいのでしょうか?

浅川さん

あくまで私見で恐縮ですが、下肢筋力低下で足元が覚束無い様な高齢者の場合、体軸が定まらず想像以上に頭が振られてしまうことがあるのかもしれないと思いました。

また意図せずして頭が振られてしまう状況は、神経に対する刺激がより脅威として入力されてしまうこともあるのかと思います。

後頭部の筋肉を緩めるのは、副交感神経に刺激が入ればよいので方法は問わなくてもいいかと思います。

皮膚刺激ももちろん一つの方法ですが、それだけで足りなければ直接押圧をかけながら頭を後ろに倒してもらうとか、あるいは遠位から手掌を母指と小指を合わせながら背屈させるという方法もあるようです。

蛇足になるかも知れませんがもう一点。

治療家にとって経験は何よりの財産だと思っています。

高齢者は様々な生理機能が落ちていると知識で知っていても、実際に悪いアウトカムを経験しているのといないのとでは、次に問題が生じた時にその場での対処のでき方が変わってくるのではないでしょうか?

亮司さんが優れているのもまさにその点ではないかと思っています。

更なる高みを目指してめげずに頑張りましょう。

回答者:亮司さん

浅川先生がおっしゃる通り、スワイショウの前庭器官への刺激が強すぎたのかもしれません。

前庭器官が弱くなっている方の判断として首や肩、背筋などに強い張りを持っていることが目安の一つです。

その場での反応は良かったが翌日以降に悪い反応が出る、というのはスワイショウによる前庭器官の刺激なのかは断定できないところはありますが、正直判断の難しいところです。

上原さん

確かに、経験は財産ですね!

勉強も大切だけど、最終的には経験がものを言う。

娘さんから連絡あり、病院では脳や耳などには問題なく、血液検査で水分不足による高血圧と、栄養失調であると判断されたようです。

確かにお水はほとんど摂っていなかったとおっしゃっていました。

この経験は貴重なものでした。

怖いという気持ちはまだありますが、もしまた来てくれることがあれば、生徒さんのお力になれたらと思います。

感謝いたします。ありがとうございます。

浅川さん

この高齢者さんのケースは施術後の家庭での過ごし方が不明とのことで、スワイショウ等自己流にやり過ぎたとかでなければ因果関係はやはり薄そうですね。

因みに高齢者の水分補給に関してですが、First choice は水ではなくOS-1(大塚製薬の製品名)を含む「経口補水液」とご記憶下さい。

ポカリなどのスポーツドリンクは糖尿病の傾向がない若い人には安価でもありお勧めですが高齢者等耐糖能に不安は有る場合糖分が多すぎてお勧め出来ません。

一方で経口補水液は浸透圧、電解質バランス等点滴に近い成分で吸収も速くなる様調整されており、まさに脱水補正に適した飲料として開発された物です。

お子さんの胃腸炎後の脱水でもこれが飲めれば点滴は必要ないとされています。

夏場で口渇が強い時等、精神科患者さんなど抑制が効かない人で散見されますが、水を超大量に短時間でガブ飲みして体液が希釈され、低Na血症から頭痛や昏睡から酷いと死に至る水中毒と言う病態があります。

なので医者は脱水補正に水は勧めないのです。

熱中症もそうですがNa必須です。

上原さん

浅川さん、ありがとうございます!

脱水状態の時はOS1が良いのですね。

ポカリは私もおすすめしないのですが、お年寄りにとってお水は飲みにくい方も多くいる様に感じます。

日頃から飲めると良いですが、冬は尚更飲まなくなり、知らない間に脱水になっていることが多いですね。

耳鼻咽喉科の方のnoteを見ていたら、栄養失調や鉄不足などの貧血時、ふわふわした感じを目眩ととる高齢者の方が多いと気されていました。

今回のことはとても勉強になりました。

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