肘関節屈曲で痛みが出る人へのアプローチを教えてください(2024/4/30)

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質問者:山口さん

クライアントの方で肘関節を屈曲(特に最大屈曲時や、加重時)させると肘関節が痛む方がいらっしゃいます。
上腕屈筋群(特に上腕二頭筋)のリリース、ストレッチをしてもあまり改善が見られなかったので、屈筋郡抑制の為と副交感神経を優位にさせる為、顔面のマッサージ、体芯力で習った眼球運動、スワイショウなどを行ってみたのですが、なかなか改善が見られませんでした。

皆様のご意見をお聞かせいただければと思います🙇
宜しくお願いいたします。

回答者:久場さん

肘関節のどこに痛みが出ているのでしょうか?
・橈骨側
・尺骨側
・真ん中 など

肘関節に近い上腕二頭筋、前腕部、屈筋群ストレッチで痛みが改善していないとのことですが、拮抗筋の上腕骨三頭筋の滑走・緊張はどうでしょうか?

ただ変化をしても、根本からの改善を考えると他部位の動きに対しての評価が大切だと思います。

痛みが出る原因としてよくあるのが、他の関節の求心位が取れていないため、負担がかかってしまっているケースです。

そのため、位置関係を色々変化させながらまずは評価をすることを勧めます。

自分が肘の痛みへ対応するときはまず、

肩関節の上腕骨骨頭と肩甲骨関節窩の求心位が取れているかを見ます。

例:上腕骨に対して肩甲骨の位置を徒手的に変えて、その際の肘の痛みはどうなるかなど、痛みが変化するアライメントを評価

(上腕骨に対する肩甲骨の追従機能や安定性を確認)

関節の求心位が取れていない場合
上腕二頭筋や上腕骨三頭筋の筋緊張は、歯車が合わず付着部の肘関節の動きが悪くなって痛みを出すので、他関節からのアプローチが有効かと思います。

(例:投球障害肘の方の肘にアプローチしてもあまり変化はない)

上腕骨骨に対する肩甲骨の位置を変化させて変化するのであれば、その方向に肩甲骨を動かす運動、胸郭の動きを出すアプローチに持っていけばいいかなと思います。

上腕骨骨に対する肩甲骨の位置を変化させて変化するのであれば、その方向に肩甲骨を動かす運動、胸郭の動きを出すアプローチに持っていけばいいかなと思います。

末梢の動きを見る

手指、掌、手内在筋の硬さは肘の動きを悪くするので評価が必要です。

特に掌・手内在筋は前鋸筋と関連しています。

掌が動く→前鋸筋が動く→肩甲胸郭関節が動く→肩関節求心位とれる→肘への負担が減る
と言った繋がりもできるかと思います。

中枢から肘、末梢から肘への影響を仮説と検証、効果判定を繰り返すことが大切だと思います。

山口さん
とても分かりやすく説明して頂きありがとうございます🙇
痛みに関しては真ん中の部分に痛みがあるようです。(ちょうど関節の辺り)
肩甲骨の位置関係や求心位の評価、していなかったです。
手内在筋と前鋸筋の関連性が今一分からないのですが、どういったメカニズムで関連があるのでしょうか?
久場さん

運動連鎖的な感じですが、手内在筋の中でも特に虫様筋、背側低側骨間膜辺りが硬いと、手関節は橈屈方向に動きにくくなり、尺屈方向が強くなり(解剖学的に尺屈はいきやすいのですが😅)運動連鎖的に肩甲骨の上方回旋が行きづらくなり、上方回旋作用が主としてある
前鋸筋が機能しずらくなるって感じです。
もちろん前鋸筋は、上位•中位、下位で作用も変わってくるので全てとはいえませんが、僕の臨床経験上、虫様筋と前鋸筋の繋がりは結構あるのかなと思っています。

あとは肩の痛みがある人は手関節尺屈位+母指掌側偏位、前腕回内位(マウス使う動き)の代償動作からリブフレアになって前鋸筋が使えない方もいるので、そこの関連性もあるかなと思います。

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