アクティペーションと対処療法について(2024/12/6)

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質問者:永野 眞治さん

アクティベーションと対処療法、その他について質問させて頂きます🙇

1.まず、アクティベーションについてですが、筋肉の最大伸展と最大収縮を行なうことで脳に刺激が入り、ターゲットとなる筋肉のマッピングが明確になり動作において連動がスムーズになる(動作の質が向上する)とのことで、意欲的に取り組んでいますが、、、

ちょっとした矛盾点に突き当たりました😅

それは、第21回の講座での衝撃的な教え「筋肉は意識して伸ばすことは出来ない。意識して出来るのは縮ませるの一択」ということです。

前回の講座(第23回)では、アクティベーションの復習ということで殿筋を中心に下肢の筋肉のアクティベーションのやり方について伸展パターンと収縮パターンの確認させて頂きましたが、

上記の理論(筋肉は意識して出来るのは収縮のみ)に基づくと、「伸展パターン」は、

別にしなくてもいいのではないか?(拮抗筋の最大収縮で他動的に伸展されるという作用を用いればいいのではないか?」という疑問が生まれました。

そこで、第21回の最後の方で亮司先生が、「体芯力の神髄のポーズになり得るかもしれない」と言われた【弓歩】を進化させたようなスピードスケートのスタートのポーズを思い出しました。

あのワンポーズを両脚と両腕の位置を左右入れ換えて行なうことで、全身の主要筋群のアクティベーションになる。

要するに、「アクティベーションというものは収縮パターンだけを意識して行なえばいいのではないか?」ということです。(「厳密にいうと伸展パターンは意識しては出来ない」というように考えていいのでしょうか?)

2.次は、対処療法についてです。
 【体芯力】の対処療法となる「スラッキング」は、ターゲットの筋肉を収縮させる(縮める)ことにより対象部位の状態を改善できるので、先ほどの「筋肉は意識して伸ばすことは出来ない。意識して出来るのは縮ませるの一択」ということを考えれば、とても理にかなったテクニックだと思います。

亮司先生も常々、「ストレッチはリスクがあるので、まずはリスクの少ないスラッキングからアプローチするパターンが多い」と言っておられます。

となるとまた疑問なのですが、同じく対処療法となる「神経ストレッチ」は、筋肉ではなく神経に効かせることになると思うのですが、神経は意識して伸ばすことは出来るのでしょうか?

また、神経を伸ばすことにリスクはないのでしょうか?

3.最後は、改めて大腰筋について知ったことなのですが、

いまさらなのですが、大腰筋の拮抗筋を調べてみると、大殿筋、大体二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、大内転筋、中殿筋後部、梨状筋とかなり多くの筋肉が対象となっていました。これだけでも大腰筋が特別な筋肉であるということがよく分かります。

となると、大腰筋を最大収縮させることで、上記の筋肉はアクティベーションの伸展パターンが出来ると考えていいのでしょうか?

お忙しいところ、長々とたくさんの質問すみません🙏

ご回答は、次回の講座(最終回)の時で結構ですので、よろしくお願い致します🙇‍♂️

回答:鈴木亮司
講座の前に先に簡単ではありますが
文章でお伝えさせてください。

1
収縮のみで伸展の行為自体は必要ないのでは?という解釈をしましたが問題ないでしょうか?

1つの筋肉の正確なマッピング(収縮と伸)を学習させる目的として行なっているので、拮抗筋の収縮で結果として目的の筋肉の伸張が得られるということの理解で良いかと思います。

捉え方の問題かとは思いますが例えば大臀筋のアクティベーションを行う、ということの場合、その動作が大臀筋の伸張に拮抗筋の収縮、大臀筋収縮の際には拮抗筋の伸張が起きています。

全部の関連筋群を出してしまうと
もはや何をやっているか、さっぱりわからなくなるので、何が目的なのか?ということで目的の筋のアクティベーションである、としています。

2
神経に関しては意識して伸張や収縮が出来るのかについては確かな論文を知りませんが、神経を伸ばすこと自体はスラッキング(縮める)よりも刺激が上だと思われますが、神経も伸ばしすぎると脳がリスクと感じで身体が緊張します。
よって教科書的に言うと
ペインスケール10段階中の3(少し伸びる感覚を感じる)程度の感覚にしておくとあります。


3
大腰筋に関しては、なにぶん付着範囲が広く、働きが多岐に渡るので、様々な筋肉が拮抗筋となります。

なので、大腰筋の収縮や伸張のアクチベーション動作が何種類にもなります。

大腰筋の胸椎近くの部分は脊柱起立筋の様な働き、股関節近くの大腰筋は動的に働くとも聞いているので、かなり複雑なものになることは確かな様です。
永野 眞治さん
亮司先生、真摯なご回答ありがとうございます🙇

1は、拮抗筋の収縮で、結果として目的の筋肉の伸張が得られるという理解でOKということですね。

2の「神経ストレッチ」に関しては、以前の講座の中でも「軽め(少し伸びる程度)で行なうこと」と言われていたことを思い出しました💦
→最近は、そのことをスッカリ忘れていて通常の筋肉を伸ばすストレッチの感覚で行っていたので、今後は強度を緩めて効果を引き出せるように修正していきます。

3の大腰筋に関しては、講座の中でも事あるごとに「まだまだ未知数の筋肉」とも仰られていますので、自分なりにも体性感覚を鍛えて大腰筋のアクティペーションをやり尽くしたいという衝動に駆られました❗️


※このチャットで頂きましたご回答で充分ですので、最終回の講座では他のことに有効に時間を使って頂ければと思います。
勿論、亮司先生から補足したい部分があれば、よろしくお願い致します。


恐らく今回の質問が、現役生としては最後の質問になると思いますが、このようなやり取りが出来て大変満足しています✨ありがとうございます😊

「最終回の講座」楽しみにしています❣️
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