目次
質問者:猿山直明さん
お疲れ様です。以下質問させてください。
1.インナーマッスルについて
站椿功の姿勢を行うと腹部にほんのりと圧を感じる(このとき腹直筋が硬化してない)のですが、これはインナーがうまく使えてるのでしょうか。
腹直筋は反応してないのに圧感があるので、インナーマッスルは使っているのでは考えていますが、インナーマッスルは感覚がないものとの事だったので聞いてた話と矛盾してると思い質問した次第です。
2.側屈について
過去の体心力のアーカイブを見ていて、亮二さんのテンプレトレーニングで紹介していた肩に棒を背負って側屈する動きが紹介させていましたが、肩に棒を乗せるのはどういったメリットがあるのでしょうか。
真横に倒せているかのガイド的な役割なのでしょうか。
3.呼吸と力みについて
呼吸により力みが取れるのは理解したのですが、力んだ箇所で呼吸するのとその手前で呼吸するので力みのとれ方とかが変わったりするものなのでしょうか
4.呼吸と副神経について
アーカイブ上で呼吸が機能してないと副神経に影響がでて、副神経に起因している迷走神経に影響がでるので呼吸ができないと内臓系に影響があるとおっしゃっていた(聞き間違いならすみません)かと思いますが、呼吸と副神経の繋がりというのは、呼吸をできないと胸椎が稼働せず中枢神経の脊髄神経の働きが悪くなり末梢神経である副神経にも影響がでるといった感じの解釈で宜しいでしょうか
5.呼吸と冷え性について
こちらもアーカイブを見ての質問なのですが呼吸ができてないと冷え性に影響がでる理由についてお聞きしてもよろしいでしょうか。
こちらも中枢神経の働きが悪くなったことで、全体の神経に影響が出て神経の代謝が落ち筋肉の活動量が落ちたのような解釈で問題ないでしょうか。
6.笑顔と力みについて
笑顔になると力みがとれるのはなんででしょうか。
島皮質経由で好的感情が脳幹につたわり緊張を解くように体に命令しているという解釈で問題ないでしょうか
また、感情を伴わない表面的な笑顔でもこのような回路で力みが取れるという解釈でよろしいでしょうか。
7.歩行と走行の前足の使い方について
アーカイブの中で踵から入ると言ってるものとつま先から入ると言ってるものがありそれぞれの特性は以下で解釈しているのですが、使い分けがよくわからないので質問させてください。
つま先から入る
→接地を早くするため
踵から入ると
→ロッカーファンクションを利用してブレーキ動作の抑制するため
回答:鈴木亮司
1.
インナーマッスルの件ですけども、インナーマスが感覚がないと言うわけではなくて、自ら意識的に制御できると言うものではないと言う事はになっています。咳やくしゃみをした時などに後発的に収縮感を感じるものが腹横筋です。
また腹筋筋以外にもインナーマッスルが多々ありますので、感じられるもの、感じられないもの、これは体性感覚の問題もあるので、感じられる方と感じられない方は個人差で出てきます。
2.
棒を背負ってる場合、棒を背負ってないで手を横に広げて行った場合と棒を背負った状態で体を横に倒したときの違いを確認してみてください。
棒によって肩周り腕周りが固定されたことによって腕や肩周りの遊びが減ったことによって体幹部の動きがわかると思います。
棒は担いでいない場合、肩周り腕周りが制御が効かず動いてしまうため、体幹部の動きが減るのがわかると思います。
またこの感じ方は個人差があるため何とも言えないところはありますが、棒を担いで行った方が、姿勢制御などが不慣れな運動初心者の方にとっては、側屈感覚が掴みやすいものと思われます。
3.
呼吸と力みについても、これも個人差が出てきます。
その方の力み具合は人によって感じ方も違います。
力みを感じる手前でやったほうが効果的なと思いますし、力みを感じる場所でやったほうがうまくいく人もいますので
ここは完全に個人差です。
理由としては、体のコントロールが未成熟な方の場合、力の操作もできないので、その方の場合はあまり力みを感じない場所の方がいいと思います。
ある程度成熟してくると、全身が完全に硬直するレベルまで緊張する状態にはなりにくくなるので、その場合と運動初心者の場合は個人差がかなり出てくると思います。
4.
呼吸が機能していないと副神経の理由が〜というものは胸椎の稼働が可動域の問題ではなく、呼吸そのものが自律神経に関係しているので、シンプルに横隔膜が迷走神経との関係が深い→迷走神経に対しての「副(accessory)」という位置づけが副神経です。
副神経の支配は僧帽筋、胸鎖乳突筋です。
5.
代謝が低下して「冷え性」や「疲れやすい」の原因に 呼吸が浅くなると、体内での酸素と二酸化炭素のガス交換の効率が下ってしまい代謝(エネルギーの産生)が低下して「冷え」や「疲れやすい」「だるさ」といった症状が現れます。
質問いただいた4と5の呼吸に関する部分は検索すれば出てくるものですので、ご自分で調べた方が早いかもしれません。
6.
この辺りは様々な研究で出ていますが、僕自身はGoogle検索で出てくるようなレベルの知識しかないのです。
7.
歩行に関して
つま先から入る接地を速くするためというのもありますが、ウィンドラスエフェクトを使う、アキレス腱反射を利用する、つま先接地をするために足を楕円軌道、地面反力を利用するためのものと。あとつま先接地から踵を落とすことによって回転運動がかかり、地面反力を強く得ることができるためです。
この場合、踵を接地しないスプリントの場合は腱の強さに依存する形になるので、踵を接地すると中距離よりもさらに強いアキレス腱が必要になります。
この辺りの複合的な理解は講座の中で質問いただくか、その際に説明いたします。
言語によるやりとりには、やはり限度もあり、理解度もこちらからは不明なことがありますので。
猿山直明さん
ご回答くださりありがとうございます。
鈴木亮司
先日の神経に関してのエビデンスの件ですが神経に力学的手法のメタアナリシスの論文がありました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36361353/
エビデンスのレベルを説明した内容
↓
エビデンスレベルを決定する際に参考とした研究デザイン
A 質の高い,かつ,多数の一致した結果の無作為化比較試験;無作為化比較試験のメタアナリシス
B 不一致な結果の無作為化比較試験;質に疑問のある,または,少数の無作為化比較試験;非無作為化比較試験※ 1;多数の一致した結果の前後比較研究や観察的研究※ 2
C 少数の前後比較研究や観察的研究;症例報告;専門家の意見
多数の一致というものが曲者で、多数の結果が変われば、メタアナリシスも変わるということですが、可能性が高いという説明にはなりそうです。
